介護事業所には、人材確保が難しい、業務が多すぎて余裕がない、業務中に研修の時間が取れない、職員の定着率が悪い、職員の意識を統一できないなど、多くの課題があります。こうした課題に適切に対応するためには、就業環境を整備すると ともに、一人ひとりの職員が働き甲斐を持ち、達成感を持てる職場にする必要があります。

「介護人材」を「介護人財」に変えるためには、どうしたら良いのでしょうか? 

介護保険事業所の経営は、介護保険をはじめとする社会保障制度の動向に大きく影響を受けることはいうまでもありません。とくに、介護保険制度の動向には注意を払い、必要な対策を講じることはきわめて重要なことです。
しかしながら一方で、あまりに大きな影響を受けるために、すべては介護保険制度次第という(他力本願の)考えに陥ってしまっている事業所も多く見られます。本来もつべき自律性を失っては、事業体としての存在意義も危ういものになりかねません。

そうならないためには(自律的な事業体を目指して)、事業所内で手の打てること、すなわち「人材・組織マネジメント」「サービス・マネジメント」といった内部事業環境について、積極的に改善行動を推進することではないでしょうか。

事業所の「内なる問題」を継続的に発見し、課題を共有し、事業所内で話し合い、改善に向けて努力し続ける姿勢をもった「人・組織づくり」が何より重要なのです。

そのためにも、「顧客である利用者」や「内部顧客ともいうべき職員」の満足度向上を図り、質の高い介護サービスを提供するために、管理者として基本的な事業経営や人材マネジメントの考え方に触れ、経営マインド、マネジメント・マインドを養うことは、きわめて有意義なことではないでしょうか。

経営改善の目的


介護サービス事業において、「経営改善」が目指すべきものは何でしょうか? それぞれの事業体ごとに経営理念、経営目標は異なるものと思われますが、基本的な考え方として、「質の高いサービスを提供する」ということが、介護サービスを提供する事業者にとって共通の、最も尊重されるべき使命(ミッション)であり、優先されるべき経営改善の目的と言えるでしょう。

「評価」を経営改善に活かす


経営改善のスタートは、問題の発見、課題の抽出です。事故やクレームの発生はわかりやすい「問題」です。適切でスピーディな対応・対策が求められます。しかしながら、大切なことは事故やクレームの起こる原因(問題)を究明することです。
日頃から「問題意識」や「志」を持ち続けていれば、問題や課題に「気づく」こともできます。しかしながら、自分目線で見るだけでは、「見えにくい(見えない)」問題もあります。また、「見える(見えやすい)問題」よりは「見えにくい(見えない)問題」の方が根源的な問題であることが多々あります。そういった「(問題への)気づき」を刺激してくれる、経営改善の有力なツールが「評価」です。
評価には、
①自己評価
②利用者(お客様)評価
③外部(第三者)評価
④従業者評価
とさまざまな手法がありますが、大事なことは、評価結果を経営改善に活かす視点を持つことです。費用をかけて詳細な評価をやっても、経営改善に活かさなければ意味がありません。
評価結果から見えてきた問題・課題について、優先順位をつけ、事業所の職員全員が改善に取り組む「意識」、「姿勢」、そして「実践」が重要です。

人が伸びると、事業も伸びる。


■介護事業所の使命とは

介護事業所の使命は、「介護が必要な方に良い介護サービスを提供し、自立した生活が送れるように支援すること」です。その介護サービスは、生産と消費が同時進行で行われますので、そのサービス品質レベルは、個々の職員の知識や技術、モラルやコミュニケーション力などに大きく依存します。
したがって、よい介護サービスを提供するためには、「人」を育て、サービス提供プロセスをよりよいものにしていく必要があります。そのためには、職員が持っている介護に対する情熱や意欲を大切にして、それを途切れさせないようにうまく育成をして活用することが重要になるのです。


■管理者の使命とは

今後、介護人材の不足が見込まれ、人材の確保や育成が難しいなか、今、管理者がしなければならないことは、人づくりです。介護事業所において、職員が意欲と働き甲斐をもって、いきいきと働ける職場環境を作ることが、管理者の使命です。
介護事業所において、管理者が「人材マネジメント」を実践することにより、組織の使命を果たし、働く人を活かし、地域社会に貢献することができます。


■人が伸びると事業も伸びる

あなたの事業所で、介護職員が働き甲斐を持ち、笑顔で介護サービスを提供し始めた時、事業所の業績も伸びていくでしょう。
「人が伸びると事業も伸びる」のです。なぜなら、人が伸びると、良い介護サービスを提供できるようになり、良いサービスが提供できると、お客様が増えていき、事業の規模が拡大していくからです。逆に言えば、事業を拡大するためには、人づくりをしないといけないのです。 


■評価を活用してみましょう!

管理者の皆様には、「最も良いサービスを提供する者が、最も多くの報酬を得る」という言葉を知っていただきたいと思います。 良いサービスを提供するためには、P,D,C,Aのマネジメントサイクルの理解と評価の活用が有効です。
これは、すべての事業に当てはまる基本的な考え方です。この考え方に基づいて、サービスの改善を継続的に行うことが、事業の発展につながります。
次に当振興会が実施している介護サービス評価をご案内しますので、ご参考にしてください。


人が伸びると事業も伸びる「介護人材」を「介護人財」に変えるために(PDF)

介護サービス評価のラインナップ


self01

cs01

out01

es01

介護サービス評価マークの由来


pdca

評価マークは、介護サービス評価を受けられた事業所の評価情報を提供する際に、利用者にわかりやすく表示するために設けられたマークです。

良質な介護サービスを提供するための基本が「心」であることを踏まえつつ、4つの「ハート」に品質マネジメントの頭文字PDCAを埋め込むことにより、 幸運の象徴である4つ葉のクローバーを形成し、利用者の喜びが事業所の発展につながることを意味しています。