(2)かながわ福祉サービス振興会と7つの提言 「かながわシルバーサービスのビジョン」が掲げた7つの提言の発表から約25年が経過しました。この提言と当振興会の役割、及びその実績について振り返ってみます。 ①シルバーサービスの情報提供 「かながわシルバーサービスのビジョン」の中では、「保健医療福祉分野は県民の生活に密着に関連する分野なので、利用者の立場での必要な情報が適時適切に提供されるとともに、情報サービスを利用する県民や関係機関等の便益をいかに高めていくかという観点が必要である」と述べています。 当振興会は、「介護情報サービスかながわ」「」生活支援情報サービスかながわ」「障害福祉情報サービスかながわ」「子育て支援情報サービスかながわ」を運営し、県民、行政、事業所が適切に情報を活用できる環境づくりに貢献しています。 ②苦情処理システム 「かながわシルバーサービスのビジョン」の中では、「介護保険制度が導入されると、苦情発生の時点は、要介護認定機関のランク判定に対する不満がある場合と、サービスの提供を受けその内容に不満がある場合の2つの場合が考えられる」、「利用者には介護保険の費用負担に見合ったサービスを受ける権利があるため、事業者に対しては苦情に迅速に対応する仕組みを設け、さらに客観的で高度な判断を司る第三者機関による苦情処理システムが必要である」と述べています。 当振興会は直接関与していませんが、提言にある苦情処理システムは各関係部署にて構築されています。 ③サービス評価制度 「かながわシルバーサービスのビジョン」の中では、「在宅サービスに対する評価方法については、『サービスそのものの評価』と『サービス供給主体」に対する評価とに分けて考える必要があり……」と、介護保険制度施行後に増大すると見込まれる在宅サービスの評価制度の確立を急ぐとともに、数々の検討すべき課題があることを述べています。 当振興会は、「介護サービス評価」「地域密着型サービス外部評価」「特定施設外部評価」を提供しており、その内容は、単純にサービスの良し悪しを評価するだけではなく、事業者の法令順守の意識向上、運営課題の発見と改善のきっかけ作り、スタッフのモチベーション向上に寄与すること等を意図したものとしています。 ④シルバーサービスの担い手の育成 「かながわシルバーサービスのビジョン」の中では、「介護保険制度導入を背景に高齢者のニーズが顕在化、多様化、高度化する中で、高齢者の個別ニーズに迅速かつ的確に対応していくためには、民間企業や市民参加型団体によるサービスを組み入れ、トータルな供給システムを構築する必要がある。このようなシステムを構築していくためには、自治体と民間事業者とが適切な役割分担と連携により新しい価値を創出していく必要がある。人材育成についても、自治体が地域のニーズに応じた介護サービス基盤準備に一環としての人材育成に責任を持ち、民間事業者が利用者の個別ニーズに迅速に対応し、良質なサービスを提供するための人材育成に責任を持つといった役割分担が考えられる」と述べています。 - 109 -
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