9 内閣府「令和3年版高齢社会白書-2 健康・福祉-都道府県別 平均寿命と健康寿命の関係」 - 15 -ほど上回るとされています 9。健康寿命を過ぎた人たちの多くは、療養や闘病、介護などを伴う生活を送っていると考えられます。なお、平均寿命は、2065 年には男性が 85 歳、女性は 91 歳まで伸びると見込まれています 10。 日本では、少子高齢化の進展とともに死亡者数も増えています。1989 年には年間約 79 万人だった死亡者数は、2019 年には 138 万人にのぼり、2040 年には 168 万人と、2倍を超える水準に達すると見込まれています 11。今後も死亡者数は、数十年間にわたって高位で推移することから、前述の図 1-1-1 からもわかるように、日本の総人口は、2050 年代に 1 億人を切ると見込まれています。 図 1-2-2 は、人生の最終段階において、医療や療養を受けたい場所の希望と、実際の死亡場所とをまとめたものです。末期がんや重度の心臓病を患っていても、意識や判断力が保たれている場合、「自宅」を希望する割合は約 30~50%にのぼりますが、認知症が進行した場合では「施設」を望む割合が高くなるなど、心身の状態によって、希望する場所が異なることがわかります。実際の死亡場所を見ると、自宅で最期を迎えた割合が約 13%で、介護施設を合わせても約 23%にとどまり、およそ8割弱の人たちは、医療機関で最期を迎えたことがわかります。その理由として、病状の進行や容体が変化した時点で医療機関の対応を仰いだケースや、在宅での看取りまでを含めて対応できる往診医やその体制がまだ少ないこと、そして、看病を担う人たちの負担が大きいことなどが考えられます。どこで最期を迎えるのかというテーマについては、希望と現実との間に大きな乖離がみられます。 高齢期においては、疾病や障害などにより、終末期の生活に様々な支障をきたす人たちが増えることも予想されます。図 1-2-3 は、神奈川県の要介護(要支援) 認定者数の推移を表したも 10 内閣府「平成 30 年版高齢社会白書-平均寿命の推移と将来推計」 11 厚生労働省「令和 2 年版厚生労働白書 第 1 章-平成の 30 年間と 2040 年にかけての社会の変容」 図図 11--22--22 人人生生のの最最終終段段階階ににおおいいてて、、医医療療・・療療養養をを受受けけたたいい場場所所とと実実際際のの死死亡亡場場所所 ≪≪全全国国≫≫ 出典:厚生労働省「平成 29 年度-人生の最終段階における医療に関する意識調査」より作成
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