9 厚生労働省「令和 3 年版厚生労働白書―第 9 章障害者支援の総合的な推進」 9 厚生労働省「令和 3 年版厚生労働白書―第 9 章障害者支援の総合的な推進」 - 30 -高齢者の仲間入りをします。新卒以来非正規で雇用され、生涯を単身で過ごす人が比較的多いと考えられているこの世代が高齢期における生きづらさに直面した時、介護サービスの量的な整備のみならず、経済支援や孤立を防ぐ対策の必要性がいっそう高まると考えられます。これらを勘案し、神奈川県をはじめとする東京圏の地域性を考慮した高齢化対策が求められます。 それに近しい人たちには相互理解の意識が共有されていても、社会全般でみれば、ごく僅かだ次に、障害福祉サービスにおける課題として、障害者に対する理解の不足が挙げられます。と思われます。目に見える障害に対しても、保護されるべき、或いは被害者であるかのような障害者に対する差別や虐待、不適切なケアなどは依然として続いており、権利擁護を基本とし存在として区別されがちで、障害者個々の権利を尊重し、共生の在り方が模索されているとはた共生社会づくりが叫ばれてはいるものの、その実現は遅々として進んでいません。当事者となかなか言い難い状況です。 それに近しい人たちには相互理解の意識が共有されていても、社会全般でみれば、ごく僅かださらに注目すべきことは、うつ病、気分障害といった精神疾患の増加で、依存症や発達障害と思われます。目に見える障害に対しても、保護されるべき、或いは被害者であるかのようなへの対応が社会的に高まっていることです 9。現代は、目まぐるしく変化する経済社会情勢や生存在として区別されがちで、障害者個々の権利を尊重し、共生の在り方が模索されているとは活様式への対応が求められ、誰もがストレスを抱えやすい時代です。加えて、複雑化する問題なかなか言い難い状況です。 へのスピーディな対応が求められ、過度なプレッシャーから環境に適応できなくなる人が増えさらに注目すべきことは、うつ病、気分障害といった精神疾患の増加で、依存症や発達障害ています。知的レベルや広汎性発達障害の特性から障害覚知が難しい、いわゆるボーダーライへの対応が社会的に高まっていることです 9。現代は、目まぐるしく変化する経済社会情勢や生ンにある人たちは、さらに強い生きづらさを感じていると考えられます。 活様式への対応が求められ、誰もがストレスを抱えやすい時代です。加えて、複雑化する問題子どもと、子育て世代に関する課題としては、児童虐待、子どもの貧困、いじめ・暴力行為・へのスピーディな対応が求められ、過度なプレッシャーから環境に適応できなくなる人が増え不登校、障害のある子どもの療育、仕事と子育ての両立の困難さなどが挙げられます。児童虐ています。知的レベルや広汎性発達障害の特性から障害覚知が難しい、いわゆるボーダーライ待に関する通報や事件数、適切な養育環境の整わない家庭の数は年々増えています。そうしたンにある人たちは、さらに強い生きづらさを感じていると考えられます。 中、2016 年には児童福祉法が改正され、特に、2010 年代以降は、子どもに対する施策が矢継ぎ子どもと、子育て世代に関する課題としては、児童虐待、子どもの貧困、いじめ・暴力行為・早に、また、様々なケースに対応すべくきめ細かな内容で打ち出されてきました。それでも、不登校、障害のある子どもの療育、仕事と子育ての両立の困難さなどが挙げられます。児童虐子どもと子育てを取り巻く環境に対する不安が拭えないのは、子どもが育ち、育てられる環境待に関する通報や事件数、適切な養育環境の整わない家庭の数は年々増えています。そうしたが大きな社会変化の影響を受け、地域や家庭が抱える課題が複雑化していることが理由として中、2016 年には児童福祉法が改正され、特に、2010 年代以降は、子どもに対する施策が矢継ぎ考えられます。 早に、また、様々なケースに対応すべくきめ細かな内容で打ち出されてきました。それでも、ヤングケアラーの問題も、子どもたちに深刻な影響を及ぼしています。国によるヤングケア子どもと子育てを取り巻く環境に対する不安が拭えないのは、子どもが育ち、育てられる環境ラーの実態調査によれば、中高生のおよそ4~6%、1クラスのうち1~2名が両親や兄弟、が大きな社会変化の影響を受け、地域や家庭が抱える課題が複雑化していることが理由として祖父母の介護を担っていると考えられます 10。しかし、ヤングケアラーと思われる子どもの実考えられます。 態把握は進んでおらず、その理由として、家庭内の事象ゆえに第三者の介入と調査が困難であヤングケアラーの問題も、子どもたちに深刻な影響を及ぼしています。国によるヤングケアることや、地域による支援の枠組みが定まっていないこと、そして、子ども自身がヤングケアラーの実態調査によれば、中高生のおよそ4~6%、1クラスのうち1~2名が両親や兄弟、ラーであると認識していないことなどが挙げられています 10。幼い世代に介護負担がのしかか祖父母の介護を担っていると考えられます 10。しかし、ヤングケアラーと思われる子どもの実ることによって子ども自身が疲弊してしまい、家族関係の悪化や学力の低下を招き、友達や地態把握は進んでおらず、その理由として、家庭内の事象ゆえに第三者の介入と調査が困難であ域との関係も希薄となり、進路の選択を狭めてしまうことで、子どもたちは、100 年にも及ぶ人ることや、地域による支援の枠組みが定まっていないこと、そして、子ども自身がヤングケア生のスタート地点で大きくつまずいてしまいかねません。 ラーであると認識していないことなどが挙げられています 10。幼い世代に介護負担がのしかか十分な財源確保を必要とする負担軽減措置といった国の施策と併せて、子どもと子育てを取ることによって子ども自身が疲弊してしまい、家族関係の悪化や学力の低下を招き、友達や地り巻く環境の改善には、地域性に応じたきめ細かな施策が欠かせません。核家族化の進展や生域との関係も希薄となり、進路の選択を狭めてしまうことで、子どもたちは、100 年にも及ぶ人活スタイル、価値観の変化を否定的に捉えず、行政や児童相談所といった公的機関、学校、施生のスタート地点で大きくつまずいてしまいかねません。 設ばかりに対応を任せるのではなく、そして、家族という枠組みばかりにとらわれることなく、十分な財源確保を必要とする負担軽減措置といった国の施策と併せて、子どもと子育てを取地域の様々な関係者が「我が地域の事」と関心を持って協働参画し、困っている子どもとそのり巻く環境の改善には、地域性に応じたきめ細かな施策が欠かせません。核家族化の進展や生家庭を地域の福祉ネットワークにつなげていくことが求められます。 活スタイル、価値観の変化を否定的に捉えず、行政や児童相談所といった公的機関、学校、施人口減少の進む社会では、労働力の減少と社会保障制度の持続性が課題です。新型コロナウ設ばかりに対応を任せるのではなく、そして、家族という枠組みばかりにとらわれることなく、イルス感染症の拡大によって、「エッセンシャルワーカー」に注目が集まるようになりましたが、地域の様々な関係者が「我が地域の事」と関心を持って協働参画し、困っている子どもとその家庭を地域の福祉ネットワークにつなげていくことが求められます。 人口減少の進む社会では、労働力の減少と社会保障制度の持続性が課題です。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、「エッセンシャルワーカー」に注目が集まるようになりましたが、10 厚生労働省「ヤングケアラーの実態に関する調査研究(令和 3 年 3 月)」 10
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