かながわ福祉ビジョン2040(創立25周年記念事業)
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- 39 -来にむかって、私たちは、人間性を保障しあう社会を作るために、地域にある資源をつむぎ直していきたいと考えているのです。 22.. ラライイフフセセキキュュリリテティィへへ 一方でサービスへのアクセス保障機能を強化しつつ、ベーシックサービスの制度化、品位ある一方でサービスへのアクセス保障機能を強化しつつ、ベーシックサービスの制度化、品位ある命の保障を進めていく必要があります。他方で、サービスの出し手と受け手という「一対一の関命の保障を進めていく必要があります。他方で、サービスの出し手と受け手という「一対一の関係」からひらき、「精神的、社会的な自律」「参加」という基礎的なニーズを満たしていかなけれ係」からひらき、「精神的、社会的な自律」「参加」という基礎的なニーズを満たしていかなければなりません。この方向性について、私たちはさらにいくつかの問題を指摘しておきたいと思いばなりません。この方向性について、私たちはさらにいくつかの問題を指摘しておきたいと思います。 ます。 11))ソソーーシシャャルルワワーーククとと自自治治のの新新ししいい連連帯帯 11))ソソーーシシャャルルワワーーククとと自自治治のの新新ししいい連連帯帯 私たちは、生存と生活、ふたつの「生」を大切にする「ライフセキュリティ=人間性を保障す私たちは、生存と生活、ふたつの「生」を大切にする「ライフセキュリティ=人間性を保障する社会」をめざしていきたいと考えています。 る社会」をめざしていきたいと考えています。 ですが、まだこの段階では、ライフセキュリティとしては、不十分なものです。なぜならば、ですが、まだこの段階では、ライフセキュリティとしては、不十分なものです。なぜならば、サービスを無償で提供したからといって、私たちが本当に幸せを追い求め、自由に生きていけるサービスを無償で提供したからといって、私たちが本当に幸せを追い求め、自由に生きていけるわけではないからです。 わけではないからです。 たとえば、親のネグレクトが原因で不登校になっている子どもがいるとします。この子は、義たとえば、親のネグレクトが原因で不登校になっている子どもがいるとします。この子は、義務教育というベーシックサービスを提供はされていますが、現実にはそこへのアクセスはできて務教育というベーシックサービスを提供はされていますが、現実にはそこへのアクセスはできていません。あるいは、女性への差別、障がい者や外国人などへの偏見は、サービスを提供しただいません。あるいは、女性への差別、障がい者や外国人などへの偏見は、サービスを提供しただけでは解消されません。 けでは解消されません。 このサービス保障の先にある問題、一人ひとりの生きづらさを解消するためのカギを握るのがこのサービス保障の先にある問題、一人ひとりの生きづらさを解消するためのカギを握るのが「ソーシャルワーク」です。 「ソーシャルワーク」です。 ソーシャルワークといえば、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つソーシャルワーカーのソーシャルワークといえば、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つソーシャルワーカーの仕事をさすのが普通ですが、ここでは「国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)」の示した国際仕事をさすのが普通ですが、ここでは「国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)」の示した国際的な定義を見てみることとしましょう。 的な定義を見てみることとしましょう。 「ソーシャルワークは、社会の変化、開発、つながり、そして人びとのエンパワメントと解放、「ソーシャルワークは、社会の変化、開発、つながり、そして人びとのエンパワメントと解放、これらを促進するような、実践をベースとした専門職であり、学問分野である。ソーシャルワーこれらを促進するような、実践をベースとした専門職であり、学問分野である。ソーシャルワークの中心となるのは、社会正義、人権、集団的な責任、および多様性の尊重といった諸原則であクの中心となるのは、社会正義、人権、集団的な責任、および多様性の尊重といった諸原則である。ソーシャルワーク、社会科学、人文学、そして地域や民族に固有の知からなる諸理論を土台る。ソーシャルワーク、社会科学、人文学、そして地域や民族に固有の知からなる諸理論を土台としながら、暮らしの課題に取り組み、幸福や健康といったウェルビーングを高めるべく、人びとしながら、暮らしの課題に取り組み、幸福や健康といったウェルビーングを高めるべく、人びとやさまざまな構造に働きかける。この定義は、各国および世界の各地域で拡張されうるものでとやさまざまな構造に働きかける。この定義は、各国および世界の各地域で拡張されうるものである」 ある」 (2014 年7月メルボルンにおいて採択)。 (2014 年7月メルボルンにおいて採択)。 以上の定義は包括的なものですが、注目すべき点がふたつあります。 以上の定義は包括的なものですが、注目すべき点がふたつあります。 まず、ソーシャルワークの基本は、「ウェルビーングを高めるべく、人やさまざまな構造に働きまず、ソーシャルワークの基本は、「ウェルビーングを高めるべく、人やさまざまな構造に働きかける」としていることです。これまでの社会保障のように、当事者にサービスを提供することかける」としていることです。これまでの社会保障のように、当事者にサービスを提供することだけが目的なのではなく、各人の置かれている状況を理解し、その環境ごと変えていくことにソだけが目的なのではなく、各人の置かれている状況を理解し、その環境ごと変えていくことにソーシャルワークの本質があります。 ーシャルワークの本質があります。 もうひとつ注目したいのは、「実践をベースとした専門職であり、学問分野である」という点でもうひとつ注目したいのは、「実践をベースとした専門職であり、学問分野である」という点です。この定義はいささか奇妙なものです。なぜなら、専門職はソーシャルワークというよりも、す。この定義はいささか奇妙なものです。なぜなら、専門職はソーシャルワークというよりも、

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