かながわ福祉ビジョン2040(創立25周年記念事業)
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社会の眼差し・福祉の眼差し 福祉ビジョンの策定に関わっていてつくづく感じたことがある。振興会発足時のビジョンではとにもかくにも福祉そのものに視線を当て福祉が羽ばたくことを願っていたように思う。前回は福祉が社会にどう根づき働くかが関心の的であった。そして今回は、社会に埋め込まれた福祉が社会とともにどう息づき、福祉を埋め込んだ社会がどう福祉とともに動いていくのかを構想している。こ のような視点の動きは、福祉の福祉としての自立、社会に根づく福祉、そして、福祉と社会の相互的展開への意識の反映である。市民社会は、福祉がしっかり地歩をえること、福祉が社会の構成員であることを、支持し受け止めてくれたと思う。また今後も、福祉が社会の一員として、社会の諸局面もまた福祉とともに、社会を動かしていくことを受け入れ後押ししてくれると思う。これからの社会と福祉に期待していきたい。 「柔軟性」「多様性」「教育」、これが作業部会委員としていただいた宿題である「2040 年の社会福祉に期待すること」として提示した項目でした。 柔軟性としては、制度の柔軟な運用から、ギグワーカーを支えるようなプラットフォームまで、改善の余地は大きい。固定的な家族観に縛られず、外国人、一人世帯、子どものいない世帯、パートナー世帯など、様々な人がいることを前提 にした社会福祉が望まれる。人生において社会福祉に関わらず生きる人はいない。ならば、教育の中に、社会福祉に関わるリテラシーと言えるような知識や情報を入れることも必要なのではないか。 こうした言いたい放題を、井手委員長をはじめ、「かながわ福祉ビジョン 2040」の策定に関わるみなさんは受け入れてくださいました。このチームは、柔軟性も多様性も備えていたのだと思います。このビジョンが、一人でも多くの皆さんと共有されることを願ってやみません。 慶慶応応義義塾塾大大学学 名名誉誉教教授授 公公益益社社団団法法人人かかななががわわ福福祉祉ササーービビスス振振興興会会副副理理事事長長 深深谷谷 昌昌弘弘 早早稲稲田田大大学学大大学学院院経経営営管管理理研研究究科科 客客員員教教授授 CCAAPPSS株株式式会会社社 代代表表取取締締役役社社長長 鶴鶴谷谷 武武親親 3

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