- 66 -儀」という事業もやっていますが、死生観を文化として地域に戻し、住人同士で支え合う意識も芽生えてきています。肉体、精神、文化、社会の四側面から人の生き方や在り方を再定義する福祉教育を、将来の福祉を担う人の共通基盤として学校教育のプログラムに取り入れることが期待されます。 ――では、2040年の社会でも、ワーク in ライフで福祉サービスを展開していく事業者と、現行のようにお客様視点でサービスを展開する事業者が併存していくのでしょうか。 菅原さん:選択肢があるという意味では、併存したほうがいいと思います。利用者のみならずサービスを提供する側の人の中にだって、地域とのつながりに息苦しさを感じる人やそういう時もあるでしょうから、そこから抜けられる選択肢があることも必要です。 それから、事業者の収益も多様化してよいと思います。既存の介護報酬の他に、福祉を核とした街づくりや経済の活性化を担ってくれる事業者に対してインセンティブを付加するのも手だと思います。業界を超えて民間企業を巻き込み、例えば、タクシー会社が送迎を一手に担うことだって可能です。そこまでいけば、福祉サービスは最先端の業種に躍り出ますよ。 菅原 健介さん 1979 年生まれ。株式会社ぐるんとびー代表取締役。中学高校をデンマークで過ごす。リハビリ病院で理学療法士として勤務後、2015 年、株式会社ぐるんとびーを設立し、「小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー駒寄」を都市再生機構の団地の 1 室に開設。その後、2017 年に「ぐるんとびー訪問看護ステーション」、2019 年に「ぐるんとびーケアプランセンター」、2020 年 4 月には「看護小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー駒寄」を開設。 2018 年、第 6 回「かながわ福祉サービス大賞」大賞受賞、その後 2021 年にも第 9 回「かながわ福祉サービス大賞」大賞受賞。 2020 年、第 1 回「アジア健康長寿イノベーション賞」最優秀賞受賞。
元のページ ../index.html#66