かながわ福祉ビジョン2040(創立25周年記念事業)
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東京都小平市、緑豊かで武蔵野の面影を残す一角に「ケアタウン小平」はあります。「認定 NPO法人コミュニティケアリンク東京」は、高齢者のためのデイサービスや訪問看護ステーションなどを。そして、2つの株式会社が配食サービスと、暮らしや健康に不安を抱える人たちに向けた賃貸住宅「いつぷく荘」をそれぞれ運営しています。 理事長である山崎章郎さんは、ケアタウン小平の中核である「ケアタウン小平クリニック」の院長でもあり、それ以前は、小金井市内の病院でホスピス医として末期がん患者の診療に携わってこられました。そこでは、患者が尊厳ある最期を迎えられるよう、治療の場である病院では当たり前とされる様々な制約をなくすことにも尽力されてきました。しかし、病棟であるホスピスを生活の場に位置付ける構想を実現するため、同じ志を持つ方々とともにケアタウン小平チームを誕生させました。 日本は本格的に、多くの人が死に直面する「多死社会」を迎えます。現在、亡くなる人の約8割は病院で最期を迎えていますが、これからは誰と、どう暮らしながら、どこで最期を迎えるのかといった希望が今まで以上に叶えられる仕組み作りが求められるでしょう。山崎さんが「在宅ホスピスケア」を実現されるに至った理由、専門性の高いチームケアを築くためのポイント、孤立化と死への対応、そして、様々な活躍を見せるボランティアの存在といったケアタウン小平チームの取り組みについて伺いました。 ――ケアタウン小平チームでは、「住み慣れた街で生きて“逝く”」というテーマを掲げていますが、その実現に不可欠な要素とは何でしょうか。 山崎さん:人が亡くなる過程というのは、体の機能や日常生活など色々なものを失うとともに、苦痛も現れてくる過程です。苦痛はいつ現れるかわかりませんから、住み慣れた場所で最後を迎えるための必須条件の一つは、様々な身体的苦痛に 24 時間対応できる医療です。また、大勢の人たちを見送ってきた経験からすると、適切な排泄と体の清潔を保つことも大切なので、介護保険サービスのほか、家族やボランティアを含めたサポートも 24 時間体制で必要です。これらの条件が揃えば、人は、どこの場所でも最期を迎えられると思います。 世論調査からも、半数以上の人が住み慣れた場所で最期を迎えたいと望んでいますが、自宅や緩和病棟で亡くなる人はそれぞれ十数%程度で、8割近くの人は病院で亡くなっているのが認認定定 NNPPOO 法法人人ココミミュュニニテティィケケアアリリンンクク東東京京 理理事事長長 山山崎崎 章章郎郎ささんん hhttttppss::////ccaarreettoowwnnkkooddaaiirraa..nneett//nnppoo// - 76 -55..--住住みみ慣慣れれたた街街でで生生ききてて逝逝くく――

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