かながわ福祉ビジョン2040(創立25周年記念事業)
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77..先先進進事事例例とと海海外外のの事事例例かからら読読みみ取取れれるるもものの このように、福祉ニーズを抱える人たちへの支援が様々な国や地域で展開されており、そのどれにも、将来の福祉サービスを考察するうえでのヒントがあると思います。 これらの事例には、国が着目して少子高齢化時代における地域作りのモデル事業とされているものも含まれていますし、国外の事例については、法制度や国民性、家族観、宗教などの違いから、そのままの形で日本に導入することは困難と思われるものもあります。 私たちはこれらの事例から、 ・先進事例と評される事業者も、福祉制度の枠内で事業を展開し、成果を上げてきたこと ・物理的な生活環境だけでなく、技術の活用においても孤立する人を取り残さないこと ・介護者、とりわけ、将来に向けてはヤングケアラーへの支援が重要であること ・様々な障害や認知機能の低下があっても、適切なサポートにより社会参加は可能であること ・少子高齢化が進む社会では、世代を超えた支え合いが地域の基盤になっていくこと ・高齢、障害、幼児の分野ごとの支援の他、多世代交流がもたらす支援効果にも着目すること ・支援する側、される側という二元論からの脱却が必要であること ・人権擁護とダイバーシティが子どもの意識に育くまれることが、福祉教育の核となること ・100 年を生き抜くための人生設計と準備が個人にも、且つ若いうちから求められていること ・誰もが、それぞれの持つ役割と能力を以て地域社会に貢献でき、生きがいとなり得ること ・人生を通した個人の希望や人としての在り方への寛容さが、地域には必要であること ・幸せに、より良く生きる生活環境は、街づくりそのものを変える可能性があること ・国としてだけでなく、それぞれの地域にも人生 100 歳時代の戦略が必要であること といった示唆を得られるのではないでしょうか。 こうした取り組みがあることを知っていただき、福祉の仕事との向き合い方、福祉サービスの在り方など、これからの福祉を考えるきっかけとなれば幸いです。 - 85 -

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