第12回かながわ福祉サービス大賞

生ごみ処理機「キエーロ」の制作販売による環境と福祉の連携 一般社団法人葉山ぷらす 生ごみ処理機「キエーロ」の制作販売による環境と福祉の連携 一般社団法人葉山ぷらす 1 はじめに 生ごみ処理機「キエーロ」を制作販売することを障害者施設(多機能型事業所hanto)で行 ていま す。鎌倉市の場合「キエーロ」を購入した市民に9割の助成を出しています。行政が環境に出してい る助成金が障害者の工賃につながっています。「キエーロ」の制作販売を行うことは障害者の能力に 応じた各種の仕事につながっています。 2 事例や取り組みの紹介 生ごみ処理機「キエーロ」は葉山町の松本信夫さんが考案された製品です。「キエーロ」(高さ約7 0cm、幅約80cm、奥行き約50cm)は、生ごみを土の中に入れて、土の中のバクテリアが生ごみを 食べて二酸化炭素と水に分解するという仕組みです。 そのため、生ごみを入れ続けても、土は増えずに、そのまま使い続けることができ、ランニングコ ストもかからないという特徴があります。これを広めたいと思い、松本さんの指導を受けて「ベラン ダ de キエーロ S」を作り始めました。 生ごみの約80%は水分で、行政は水分の多い物を回収して、それに油をかけて燃やして処理して います。鎌倉市はごみ処理施設の課題もあり、生ごみの減量化には特に注力し、非電動型の生ごみ処 理機には90%の助成を行っています。(参考:逗子市は80%) 2022年3月に障害者の事業所「多機能型事業所hanto」を立ち上げ、障害者の仕事の一つに「ベラン ダ de キエーロ S」の制作販売を取り上げました。 3 考察 「キエーロ」を購入した個人は自宅で生ごみ処理ができ、行政は水分の多い物を運ぶ手間が省 け、燃やすための費用も削減できます。「キエーロ」を購入する個人は鎌倉市の場合90%の助成 があるため購入しやすく、行政は処理費用を削減できます。当事業所は行政の環境の助成金が利用 者さんの工賃に結びつくことになっています。 また、この「ベランダ de キエーロ S」を制作販売することは、利用者の能力にあった様々な仕事 を作り出してくれています。 ○材料の運搬 ○材料に防腐剤を塗る ○材料を組み立て製品にする ○製品を運ぶ ○チラシを作る ○チラシをポスティングする 等 利用者さんは、電動ドライバーや金づちなどを楽しんで使い、大きな製品が出来上がるので達成感 もあるようです。 15

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