障害福祉とトマトジュース きらめきの家 障害福祉とトマトジュース きらめきの家 私たちは、知的および精神の障がいを持つ方々を対象としたグループホームを運営しています。その中 で、利用者の方々が地域とのつながりを深め、生活の充実感を得られるよう、さまざまな取り組みを行っ ています。 その一環として、グループホームの利用者が近隣の農家の方々の畑仕事を手伝う活動を行っています。 例えば、夏の時期にはトマトの収穫を手伝い、その収穫したトマトのうち規格外なものを地域の協力を 得てトマトジュースに加工しています。このトマトジュースは、地域のお祭りやイベントなどで販売さ れ、地元の方々にも大変好評をいただいています。 町内会のお祭りに出店 トマトジュースはネット販売も この取り組みによって、多くの良い影響が生まれています。まず、利用者の方々にとっては、畑での作 業が新たな休日の日課となり、身体を動かす機会が増えることで心身の健康が促進されています。また、 畑仕事を通じて「自分が地域社会の一員として役立っている」という実感を得られることが、彼らの自信 や自己肯定感の向上につながっています。生産し販売し、買っていただくことで作る楽しみ・働く意義を 感じ、卒業に向けた意欲向上にもつながっています。日々の生活が単調になりがちな障がい者施設にお いて、このような活動がもたらす変化は非常に大きいものです。 さらに、地域の視点からも、この取り組みは非常に意義深いものとなっています。農家の方々にとって は、人手が不足しがちな収穫作業を手伝ってもらえることで助かるだけでなく、破棄する野菜も減り、障 がい者の方々と交流することで新たな価値観に触れる機会となっています。また、地域行政にとっても、 衰退していく自治体活動の担い手にもなりえ、障がい者への偏見をなくしていくという意味でも関係を 持つこと、障がい者を受け入れ、共生する環境を整えることができるという点で、大きな社会的意義があ るのではないかと考えます。 そして、私たち運営側にとっても、この活動は非常に大きな意味を持っています。利用者の方々が生き 生きと活動し、自信を持つ姿を見られることは、私たちにとって何よりの喜びです。また、農家との連携 17
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